広島大学外科専門研修プログラム
Ⅰ.外科専門医プログラム制度について
〇外科専門医制度について
2018年に開始となった新専門医制度のもと、日本外科学会により外科専門医を基本領域として、原則2段階制の専門医制度が構築されました。消化器外科、心臓血管外科、呼吸器外科、小児外科、乳腺、内分泌外科の6サブスペシャルティが外科専門医直結のサブスペシャルティ領域とされています。
日本外科学会 新専門医制度のページはこちら https://jp.jssoc.or.jp/modules/specialist/index.php?content_id=2
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Ⅱ.広島大学外科専門研修プログラム
日本専門医機構による外科専門研修プログラムとして、広島で外科医を志す医師を対象とした「広島大学外科専門研修プログラム」を作成致しました。
・プログラムに登録することにより通常3年間で「外科専門医」の習得をめざします。
・登録期間のうち、最低6か月はプログラム基幹病院である「広島大学病院」での研修が必須です。
・外科専門医取得後のサブスペシャリティーを決めている場合は「広島大学外科専門研修プログラム」 終了後に、専門研修病院への推薦を行います。
・外科専門医取得後のサブスペシャリティーがまだ決まっていない場合は、各分野の ローテーション修練を行いながら、その後のサブスペシャリティーを決めることができます。
「サブスペシャリティとは、診療科の下に連なる細分化された専門分野のことです。サブスペシャルティ外科専門医に は、消化器外科専門医、心臓血管外科専門医、呼吸器外科専門医、小児外科専門医、乳腺外科専門医などがあります」
1 .広島大学外科専門研修プログラムの目的と使命
広島大学外科専門研修プログラムの目的と使命は以下の5点です。
1)専攻医が医師として必要な基本的診療能力を習得すること
2)専攻医が外科領域の専門的診療能力を習得すること
3)上記に関する知識・技能・態度と高い倫理性を備えることにより、患者に信頼され、標準的な医療を提供でき、プロフェッショナルとしての誇りを持ち、患者への責任を果たせる外科専門医となること
4)外科専門医の育成を通し患者・地域から信頼され、国民の健康・福祉に貢献すること
5)外科領域全般からサブスペシャリティ領域(消化器外科、心臓血管外科、呼吸器外科、小児外科、乳腺、内分泌外科)またはそれに準じた外科関連領域の専門研修を行い、それぞれの領域の専門医取得と連動すること
2.研修プログラムの施設群
広島大学病院と広島県内7つの全二次保険医療圏およびその他の医療圏からなる連携施設(42施設)により専門研修施設群を構成します。
これにより高い専門性の習得のみならず、地域偏在が生じないよう配慮した研修を行います。
本専門研修施設群では226名の専門研修指導医が専攻医を指導します。
専門研修基幹施設
名称 |
都道府県 |
1:消化器外科, 2:心臓血管外科, 3:呼吸器外科, 4:小児外科, 5:乳腺内分泌外科, 6:その他(救急含む) |
1. 統括責任者名 2. 統括副責任者名 |
広島大学病院 |
広島県 |
1.2.3.4.5.6. |
1.大段秀樹 2.岡田守人 3.高橋信也 |
4.外科専門研修について
1)外科専門医は初期臨床研修修了後、基本的に3年間の専門研修で育成されます。
▶ 3年間の専門研修期間中、最低 6カ月以上の基幹施設での研修が必要です。
▶ 専門研修の3 年間の 1 年目、2 年目、3 年目には、それぞれ医師に求められる基本的診療能力・態度(コアコンピテンシー)と外科専門研修プログラム整備基準にもとづいた外 科専門医に求められる知識・技術の習得目標を設定し、その年度の終わりに達成度を評価して、基本から応用へ、さらに専門医としての実力をつけていくように配慮します。具体的な評価方法は後の項目で示します。
▶ 専門研修期間中に大学院へ進むことも可能です。大学院に進学し臨床に従事しながら臨床研究を進めるのであればその期間は専門研修期間として扱われます。ただし、研究専任となる基礎研究は6か月以内とします。
▶ 研修プログラムの修了判定には規定の経験症例数が必要です。(専攻医研修マニュアル-経験目標2-を参照)
▶ 初期臨床研修期間中に外科専門研修基幹施設ないし連携施設で経験した症例(NCD に登録されていることが必須)は、研修プログラム統括責任者が承認した症例に限定して、手術症例数に加算することができます。(外科専 門研修プログラム整備基準 2.3.3 参照)
2)年次毎の専門研修計画
▶ 専攻医の研修は、毎年の達成目標と達成度を評価しながら進められます。以下に年次毎の研修内容・習得目標の目安を示します。なお、習得すべき専門 知識や技能は専攻医研修マニュアルを参照してください。
▶ 専門研修 1年目では、基本的診療能力および外科基本的知識と技能の習得を目標とします。専攻医は院内で定期的に開催されるカンファレンスや症例検討会、抄読会、院内主催のセミナーの参加、e-learning や書籍や論文などの通読、日本外科学会が用意しているビデオライブラリーなどを通して自らも専門知識・技能の習得を図ります。また、広島県内などで開催される主に若手外科医を対象とした各研究会・勉強会にも積極的に参加し研鑽を重ねてください。
▶ 専門研修2年目では、基本的診療能力の向上に加えて、外科基本的知識・技能を実際の診断・治療へ応用する力量を養うことを目標とします。専攻医はさらに全国規模の学会・研究会への参加などを通して幅広い専門知識・技能の習得を図ります。
▶ 専門研修3年目では、チーム医療において責任を持って診療にあたり、後進の指導にも参画し、リーダーシップを発揮して、外科の実践的知識・技能の習得により様々な外科疾患へ対応する力量を養うことを目標とします。カリキュラムを習得したと認められる専攻医には、積極的にサブスペシャルティ領域専門医取得に向けた技能研修へと進んでください。
(具体例)
下図に広島大学外科研修プログラムの1例を示します。例1では専門研修1年目は広島大学病院、専門研修2・3年目は連携施設での研修です。各施設が同一の医療圏とならないよう配慮した研修をおこないます。
(例1)
・専門研修 1 年目
連携施設群のうちいずれかにに所属し研修を行います。一般外科/麻酔/救急/病理/消化器/心・血管/呼吸器/小児/乳腺・内分泌について、特に外科診療に必要な基礎知識や病態について基本的能力を習得します。
また、外科診療に必要な検査・処置・手術(助手)や手術前後のマネージメントを習得します。さらに医の倫理や医療安全に関する基盤となる知識を身につけ、指導医とともに患者中心の医療の実践を習得します。
経験症例150例以上/年(術者 30例以上)
・専門研修2年目
連携施設群のうちいずれかに所属し研修を行います。
一般外科/麻酔/救急/病理/消化器/心・血管/呼吸器/小児/乳腺・内分泌の各領域の専門知識・専門技能・経験症例について知識を習得します。低難易度手術から術者としての基本的スキル習得を目指し必要な経験症例について研修を行います。
経験症例 150例以上/年(術者 80 例以上)
・専門研修3年目
広島大学病院に所属し研修を行います。より高度な技術を要するサブスペシャルティ(消化器外科、心臓・血管外科、呼吸器外科、小児外科)領域またはそれに準じた外科関連領域の研修を進めます。
経験症例 150例以上/ 年(術者 20例以上/年)
・不足症例が発生・予測される場合には、協議を行い、基幹もしくは各連携施設で不足分に関して各領域をローテートします。
(サブスペシャルティ領域などの専門医取得について)
専門研修カリキュラムを習得したと認められる専攻医については引き続き広島大学病院もしくは各連携施設でサブスペシャルティ領域(消化器外科,心臓・血管外科,呼吸器外科,小児外科)または外科関連領域(乳腺など)の専門研修を開始します。
5.修了判定について
3 年間の研修期間における年次毎の評価表および 3年間の実地経験目録にもとづいて、知識・技能・態度が専門医試験を受けるのにふさわしいものであるかどうか、症例経験数が日本専門医機構の外科領域研修委員会が要求する内容を満たしているものであるかどうかを、専門医認定申請年(3年目あるいはそれ以後)の3月末に研修プログラム統括責任者または研修連携施設担当者が研修プログラム管理委員会において評価し、研修プログラム統括責任者が修了の判定をします。
6.専攻医の採用について
広島大学外科専門研修プログラム管理委員会は、毎年7月頃から説明会等を行い、 外科専攻医を募集します。
プログラムへの応募者は、9月30日までに研修プログラム責任者宛に所定の形式の『広島大学外科専門研修プログラム応募申請書』、『履歴書』および『医師免許のコピー』を提出してください。
プログラムの詳細および申請書は こちらよりダウンロードして下さい。
不明な点はwebsite内の窓口からお問い合わせ下さい。原則として 10月中に書類選考および面接を行い、採否を決定して本人に文書で通知します。応募者および選考結果については 12月の広島大学外科専門研修プログラム管理委員会において報告します。